Project Story 02

国境を越えた製品

「安く」「重い」コンクリート製品が
海を越え、国境を越えた。

コンクリートの材料は、セメント、砂、砂利、水という安く、大量に手に入れやすいものである。
それらを混ぜ合わせることで製造ができるコンクリート製品は鉄やアルミなどと比べて「安い」製品といえる。
だからこそ多くの場所で使用されているのだが、コンクリート製品は1個あたり数百㎏を超える「重い」ものが多い。
形状や重量の関係で一度に運べる量も限られ、遠くに運べば運ぶほど、運賃ばかりが嵩み使用するメリットがなくなってしまう。
そのため全国各地にオーイケのようなコンクリート製品工場が存在し、それぞれの地域の需要に対応している。
オーイケはそんなコンクリート製品を、長野県山形村から全国に向けて届けている。
そしてそんなコンクリート製品のなかでも、海を越え、国境を越えていった製品がオーイケにはある。

海外で評価された無電源、無放流の汚水処理システム

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    酒井部長

オーイケが施工会社とともに共同開発したOK式汚水処理システムは、トイレなどの汚水を土壌微生物によって完全に浄化し、大地や地下水、川などの自然を汚さないシステムで、しかも電気を全く必要とせず、維持費もほとんどかからない浄化システムである。
下水道の整備されていない山奥や、離島など日本各地で施工実績を積んでいたこのシステムに興味を持ったのが世暎という韓国の建設会社であった。
世暎は韓国の離島にある公園の開発工事を受注していたが、インフラ整備が全くされていない離島での工事に課題を抱えており、その課題を解決できるのがまさにOK式汚水処理システムであったのである。
当初、話をうけた酒井部長は、本当に韓国まで製品を運ぶのかと半身半疑であったという。それまでも海外からのオファーが何度かあったのだが、どれも最終的な受注にはいたっていなかったのである。
しかし、世暎がオーイケの汚水処理システムを高く評価しており、何度か日本での打合せを繰り返していくうちに世暎の真摯さと本気度を感じ、韓国での汚水処理システム導入のプロジェクトが本格的にスタートした。

製品とともに「国境」「言語」の壁を越えてできた絆

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    百瀬係長

世暎との韓国でのプロジェクトは、まずはいくつかの韓国の現場で製品を輸出してオーイケが施工指導を行い、上手くいけばその後は世暎自身が、製品を製造して韓国で展開していけるように製造技術の技術導入を行うというものであった。
すでに日本では小笠原諸島の離島や、大分県の山間地などいろいろな現場で経験をかさねていた担当の百瀬係長であったが、さすがに韓国という海外の現場では想像していないことが色々と発生し苦労したという。
「まさかコンクリート製品のメーカーに就職して韓国でトイレの施工指導をするとは思わなかった。」と語る百瀬係長が一番苦労したのはやはり言葉の問題だった。通訳はいたものの専門的な部分になると通訳にもうまく伝わらず、最終的には通訳なしで技術者同士で身振り手振りで全身で表現しながらコミュニケーションをとりながら施工を行ったという。
苦労の成果が実り、2回ほど現場での施工指導をした後は、オーイケは製品の輸出だけを行い、施工は世暎が行う形で、最初に納入してから3年ほど複数の現場で実績を積み重ねた。
その間に韓国からは世暎の技術者が何度もオーイケ本社に足を運び、製造技術の導入も並行して行った。
現在では世暎が製造から施工まで韓国で行い、韓国でオーイケ製品の展開をしている。
「他の同業他社にいてはできない経験をさせてもらった。なによりこのプロジェクトを進める中でできた人脈が自分の大きな財産になっている。」と百瀬係長は懐かしそうに語った。
国境を越えたオーイケの製品と共に、技術者同士の間でも「国境」「言語」の壁を越えた絆ができたようである。

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